語源-(5)「様」と「님」について

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안녕하세요. 크리스탈이에요.

今日は名前や役職名、団体名などにつける敬称の「様」と「님」についてご紹介いたします。

日本にも古くから相手の名前などにつけて呼ぶ表現として「ちゃん」、「君」、「さん」、「様」、「殿」などがあります。

「ちゃん」はさんの音変化による呼び名として、「名前+ちゃん」や「おじいちゃん」のように親しみがこもったつけ方です。「君」は今や主に男の子につけて親しみや軽く敬意を表しますが、本来は中国から入ってきた言葉で君主に使われた表現です。次の「さん」は様の音変化によるもので人名、役職名、団体名などにつけて尊敬を表したり、動物名などにつけて親愛を表したり、または「ご苦労さん」のような使い方で丁寧の意を込めて使います。

最後に「様」と「殿」の表現ですが、今や人名などにつけていますが、本来は異なっていたようです。室町時代には「様」は人を指していい、「殿」はその人が住んでいる家屋敷を指したもので、ランク的にも「殿」より「様」のほうが格上だったようです。そのため、「様」の語源は、漠然と方向を示す「さ」+接尾「ま」がくっついたものとして、直接相手を指し示すのではなく、漠然とそちらの方向を示すことにより相手への非礼がないように配慮した言葉だと言われています。

さすが、相手への配慮を最優先に考える日本人の国民性が言葉にも表れていますね。

韓国にも日本の「―様」のつけ方として「님」、さんは「씨」や「양」、そのほかには「군」、「-아/야」などがあります。主に女性に使っていた漢字の嬢の音読み「양」や男の子に使っていた「군」(=君)は現在ほとんど使われず、さんづけとしては氏の音読みの「씨」のみです。同輩や目下の人に使う「名前+아/야」は親しみがこもった呼びかけとして~よ、~や、~ちゃんのニュアンスで用いられます。

敬称として様にあたる「님」はつけ方としては日本の様と同じですが、その語源はかなり違います。古代、韓国には太陽と大地、水などを支配していた神「니마」と女神「고마」がいたようで、「님」は、本来太陽神を意味する古語の「니마」から音変化した言葉です。そこから相手の呼びかけとしての「님」の意味は、相手を神のようにとても大切に尊敬をする意味合いがあるようです。

ちなみに「니마」はもう一つの「額」という意味があります。古語で額を「니마」と言ったのは人間の体で太陽を一番当たりやすい部位が額だからです。頭は髪で覆われているので直接太陽に当たらないと考えていたようです。この説は日本語の額=ひたいの単語からも容易に推察できます。日本の古代にも太陽神を崇拝していたし、太陽神を祭って祭祀を行っていた「ひたい」 (=日台)があったようです。その意味合いで日本でもおでこの意味である額の言葉が生まれているのではないかと考えているようです。

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