中国語2級翻訳問題の集中特訓(第65回)

第65回

1. 馬マネージャーにちょっと話をしてもらいましょう。
2. 彼の話を聞いて、みんな大笑いをした。
3. 私は荷物をフロントに預けてよろしいですか。
4. 彼は白酒どころか、ビールも飲めません。
5. 明日試験だというのに、彼はまったく緊張していません。

解答:

1. 请马经理给我们讲一下话。

 「Aさんに~てもらう」:“请(求)A……”“要A……”“求A……”“让A……”
 例文:
  请你今天晚上来一趟。(今晩来てもらいたい。)
  请把这封信投进邮筒里。(この手紙をポストに入れてもらいたい。)
  能让孩子们高兴,我心里很高兴。(子供達に喜んでもらえて非常に嬉しい。)
  让他陪我一同去了。(彼に一緒に行ってもらった。)
  请老师告诉我朋友的地址。(先生に友達の住所を教えてもらう。)

2. 听了他的话,大家大笑起来了。(原文に忠実に訳す)
他的话使大家大笑起来。  (意訳)

 ここ“笑起来” では、“起来”という方向補語を用いた。
 “起来”という方向補語の使い方:
 (1)放置・分散→制御・集中。ばらばらのものが集まる。
   用过的书你可以收起来了。(使い終わった本は片付けていいです。)
 (2)動作・状態が始まり,それが持続する。
   听了妈妈的话,她哭起来了。(お母さんの話を聞いて、彼女は泣き出した。)
 (3)「~してみると」
   这枝笔用起来很方便。(このペンは使ってみると便利だ。)
(4)低いところから高いところへの移動傾向がある。
  他站起来,在屋子里走来走去。(彼は立ち上がって、部屋の中で行ったり来たりする。)

3. 我可以把行李寄放(寄存)在(总)服务台吗?

 「預ける」:“寄放”“寄存”
 介詞“把”によって目的語を動詞の前に出し、その目的語に対して処置を加えたり、
 何らかの結果を生じさせる意味を表す構文を「“把”字句」と言います。
 “把”構文では述語動詞ははだかの動詞では文が成り立たず、
 主に次のような様々な他の成分を付加し、複雑な形にする必要があります。
 (1)結果補語
  我把新买的电脑弄坏了。(私は買ったばかりのパソコンを壊してしまった。)
 (2)方向補語
  他把桌子上的东西收起来了。(彼は机の上の物を片付けた。)
 (3)様態補語
  他把衣服洗干净了。(彼は服をきれいに洗った。)
 (4)動量詞 或は 動詞の重ね型
  请把房间打扫一下。(部屋を少し掃除してください)
  请把那本书的内容给大家介绍介绍。(その本の内容をみなに紹介してみてください。)
 (5)目的語
  我把这个消息告诉老王了。(私はこの知らせを王さんに伝えた)
 (6)“了”“ 着”
  我把电影票丢了。(私は映画のチケットをなくした。)
  你把这本书拿着!(この本を持っていてください。)
 (7)“在~”“成~”“给~”など
  他把地图挂在墙上了。(彼は地図を壁に掛けた。)
  请你把这个句子翻译成英文。(この文を英語に訳してください。)
  请把这本小说还给小王。(この小説を王さんに返してください。)
 否定などの語順
  助動詞や否定副詞“不”“没”などは普通“把”の前に置きます。
  他没把照相机带来。(彼はカメラを持って来なかった。)
  你不应该把这么重要的事忘了。(あなたはこんなに重要なことを忘れるべきではない。)

4. 别说白酒了,(连)啤酒他也不会喝。

 「どころか」:接続詞“别说……”“哪里是……”“岂止……”
 “连”:日本語で言うと「…さえも」の意味だ。ここで“连”を使うと語気を強める働きがある。

5. 明天要考试了,他却一点儿也不紧张。

 「~のに」:接続助詞。予期に反したこと、対照的なことにつなげる。意外にも。中国語で
 “却”“倒”“居然。”
 例文:
  天这么冷,却很精神。(こんなに寒いのに、元気いっぱいだ。)
  本来是相扑冠军,却经常输。(横綱なのに、よく負ける。)

中国語2級翻訳問題の集中特訓(第64回)

第64回

1. 間に合わなければ、電話をください。
2. このところ忙しくて新聞を読む暇もない。
3. もう他に方法はないので、こうしよう。
4. 友人をタクシーに乗せて帰宅させた。
5. 私はいつも言いたいことが言い出せない。

解答:

1. 如果来不及(的话),就给我打个电话。

 「間に合う」:“来得及”
 「間に合わない」:“来不及”
 仮定を表す:“如果…(仮定条件)…,就…(結果)…”。
  如果有钱,我就去旅行。(お金があれば、旅行に行く。)
  如果明天下雨,我就不去公园了。(もしも明日雨が降るなら、公園に行かない。)
 日本語には「あなた、私」をよく言わないのに対して、中国語には“你,我”をいつも使う。だから“就给我打个电话”の省略された「私に」を“给我”と訳した方が自然だと思います。

2. 最近忙得连看报的时间也没有。

 「このところ」:“最近”“这些天”
 “连”:「…さえも、…までも」
 ここでは、「忙しい」の程度を表したいので、こんな時形容詞や動詞の程度を表現する文型を使ってください。
 形容词 / 动词+得+程度补语(形容词 / 动词短语)
 例文:
  她的汉字写得很漂亮。(彼女の書いた漢字はきれいです。)
  人来得不多。(人はたくさん来ていない。)
  高兴得跳了起来。(飛び上がるほど嬉しかった。)
  两个人下棋下得连饭都顾不上吃了。(二人は将棋に夢中になって食事もそっちのけだった。)

3. 已经没有其他办法了,就这么办吧。

 「こうしよう」:“就这么办吧”
 「する」:“做”“办”。ここでは、“做”より“办”のようがもっと自然だと思う。

4. 把朋友送上出租车,让他回家了。(より自然に訳す場合)
  我让朋友坐出租车回家了。(原文に忠実に訳す場合)

 「~せる/させる」は使役形で、中国語で言えば:
  A 让(叫) B+动词(做什么)。
 詳しい説明は第62回の5問をご参考してください。
 使役“A 让(叫) B+动词(做什么)。”は2級問題に必ず出る問題だと思う。

5. 我总是说不出想说的话。

 「いつも」:“总是” (2級問題によく出る単語)
 「言い出せない」ここでは可能補語で表現すると一番いい。“不能说出”よりは“说不出”のほうがもっとも自然だと思う。
 “动词+得+可能補語” ↔ “动词+不+可能補語”
 例:
  吃得完↔吃不完 修得好↔修不好 拿得动↔拿不动

中国語2級翻訳問題の集中特訓(第63回)

第63回

1. 二度と傘を電車に忘れないようにしてください。
2. 数学の出来が悪かったので、母にこっぴどく叱られた。
3. この件はやはり私が手配しましょう。
4. 彼は禁煙してから、いつもアメをなめている。
5. 王さんから北京オリンピックの記念品を買ってくれるように頼まれた。

解答:

1. 请别再把雨伞忘在电车上了。

 「~ないようにしてください。」:“请别……。”“请不要……。”
 「二度と~ないようにしてください。」:“请别再……。”“请不要再……。”
 “把字句”は良く使われる文型だ。名詞を強調する働きがある。
 基本文型:主语+把+名词+动词短语(怎么样了)。動詞の後ろによく結果補語がある。
 例文:
  他一口气把啤酒喝干了。(彼はビールを一息に飲み干した。)
  (“干”は“喝”という動詞の結果補語になる。)
  她把钱包弄丢了。(彼女は財布を無くした。)
  (“丢”は“弄”という動詞の結果補語になる。)
  我把手机弄坏了。(私は携帯を壊した。)
  (“坏”は“弄”という動詞の結果補語になる。)
  别把书弄脏了。(本を汚すな。)
  (“脏”は“弄”という動詞の結果補語になる。)
 “弄”という動詞曖昧な動作を表す時使う動詞だ。よく使うのは“弄丢”“弄坏”“弄脏”だ。日本語で「無くす」「壊す」「汚す」。独立の単語として覚えると簡単だと思う。
 「~を~ないようにしてください。」はよく“请别把……。”“请不要把……。”と訳す。

2. 我数学没考好,被妈妈大骂了一顿。(より自然に訳す場合)
  我数学考得不好,被妈妈非常严厉地批评了一顿。(原文に忠実に訳す場合)

 「(数学)の出来がいい/悪い」:“(数学)考得好/考得不好。”
 「こっぴどく叱れた」:“被…非常严厉地批评了”“被…很严厉地批评了”は書き言葉によく使われる。話し言葉だったら、“被…骂了”“被…大骂了”などだ。「叱る、殴る、」の場合、中国語でよく量詞を加え、“打一顿”“骂一顿”という。 “一顿”は一回の意味だ。

3. 这件事还是我来安排吧。

 「私が~しましょう。」:“我来……吧!”
 例文:
  我来做吧!(私がやりましょう!)
 「手配」:“安排”“布置”“筹备”

4. 他戒烟以后嘴里总吃着糖。

 「~てから」:“~以后”
 「アメをなめる」:“(嘴里)吃着糖”(口语);“含着糖”(书面语,口语)
 「いつも」:“总是”

5. 小王叫我帮他买北京奥运会的纪念品。 (より自然に訳す場合)
小王拜托我给他买北京奥运会的纪念品。 (原文に忠実に訳す場合)

 ここの「頼まれた」は“我被拜托”と訳すれば、絶対変だと思います。
 中国語の受身“被”は消極的面で多く使われるが、「頼む」ぐらいで“被”を使わない方がいいと思います。

中国語2級翻訳問題の集中特訓(第62回)

第62回

1. この子はテレビを見ているか、漫画を読んでいるかのどちらかです。
2. 近頃は若者だけでなく、大人も礼儀をわきまえない人が多い。
3. 環境を守るために、一部のスーパーではビニール袋を有料にし始めた。
4. 何時にどこに集まるかは、また相談しましょう。
5. 授業中、何人かの学生がうるさかったので、先生は彼らを出て行かせた。

解答:

1. 这孩子不是看电视就是看漫画。

 「不是……就是……」は基本的には「~でないなら、~である。」の意味だ。
 例を挙げて、その中から、どちらかの一つを選ぶという意味だ。

2. 最近不光是年轻人,有许多成年人也不懂礼貌。

 「Aだけでなく、Bも~。」:「不光是A、B也……。」「不但A,而且B」。
 例文:
  他不但喜欢吃肉,而且喜欢吃鱼。(彼は肉だけでなく、魚も大好きだ。)
  不光是英语,法语他也会说。(彼は英語だけでなく、フランス語も話せる。)
 「礼儀をわきまえる」:懂礼貌。

3. 为了环保,一部分超市已经开始对食品袋(实行)收费(制度)了。

 「环保」:(环境保护)環境保護の略語で、
      日本語でよく言う「エコ」は中国語で「绿色/环保」です。
 「~ために」は中国語で「为了……」と訳す、「为了+目的」。
   「因为……」は原因を説明する時使う。「因为+原因」。
 「~を有料にする」:中国語で言うと「对……收费」。

4. 什么时候,在哪儿集合,我们再商量吧。

 「相談」をそのまま「相谈」を訳さないでください。「話し合い」の意味の場合、“商量,商谈,协商,”などと訳す。「意見を聞くこと」の意味の場合、“咨询,征求意见” などと訳す。
 「~ましょう」はいつも“……吧”と訳す。使い方と意味はほぼ同じです。
 例えば:
  我们走吧。(さあ、行きましょう。)
  我们一起学习吧。(一緒に勉強しましょう。)

5. 上课时,有几个学生很闹,(所以)老师让他们出去了。

 “A让B+动词短语”
 使役文の基本文型:A让(叫)B+动词句(做什么)。
 A は指令を出す人、Bは指令を受ける人だ。 “让”は口頭と書面両方とも使える。“叫”はよく口頭で使う。
 例文:
  老师让学生读书。(先生は学生に本を読ませました。)
  每天早上,妈妈都让孩子喝牛奶。(毎朝、お母さんは子供に牛乳を飲ませます。)
  老师每天都让学生写日记。(毎日、先生は学生に日記を書かせます。)
 「~ので、~」:因为……,所以……。
 例文:
  因为想去中国留学,所以我开始学习汉语了。
  (中国へ留学に行きたいので、中国語を勉強し始めた。)
  因为牛奶对身体有益,所以我每天都喝。
  (牛乳は体に良いので、毎日飲みます。)